演奏会の記録(1970年代)

1970年(20回生執行部)

第3回定期演奏会
兵庫県民会館ホール 1970年6月5日

バッハ:バスピエ(イギリス組曲第5番 BWV810)
バッハ:ガボット(イギリス組曲第6番 BWV811)
モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク
ベートーベン:メヌエット第2番
カルリ:ソナタop.21-2
ジュリアーニ:ギターとフルートのための協奏曲
ゲテルビー:ペルシャの市場より
シューベルト:「白鳥の湖」より"セレナーデ"
ビゼー:スペインセレナーデ
バッハ:3声のフーガ

・・・この演奏会では、フルートを用いてシューベルトのセレナーデなども演奏された。なお、この第3回がクラブ昇格後初めての演奏会となる。

 

1971年(21回生執行部)

第4回定期演奏会
芦屋ルナホール 1971年4月28日

グリーグ:ペールギュント組曲より
ヴィヴァルディ:調和の霊感第8番
バッハ:ガボット(イギリス組曲第3番 BWV808)
バッハ:ブランデンブルグ協奏曲第3番(BWV1048)


第5回定期演奏会
芦屋ルナホール1971年12月13日

アルベニス:「スペイン組曲」より"グラナダ"・"セビリア"
グラナドス:スペイン舞曲第2番「オリエンタル」
ドリーブ:バレー組曲「コッペリア」
ヴィヴァルディ:調和の霊感第6番
バッハ:小フーガ ト短調(BWV578)

・・・年1度の定演では力を持て余したのか、2度も開催されている。しかし年2度の定演はこの年が最初で最後である。この余力は、来年には早稲田大学とのジョイント、再来年には連盟演奏会への契機となった事は想像に難くない。

 

1972年(22回生執行部)

第1回早稲田大学・神戸大学ジョイントコンサート
芦屋ルナホール1972年3月15日

(神戸)
ヴィヴァルディ: 調和の幻想第8番
ヘンデル: 水上の音楽より

(早稲田)
ストラヴィンスキー: 5つのやさしい小品
バッハ: シンフォニア(パルティータ第2番ロ短調 BWV826)
モーツァルト: 5つのディヴェルティメント
白石顕雄: ヴァリエーション'71

(合同)
グラナドス: スペイン舞曲2番「オリエンタル」
ファリア: スペイン舞曲第2番「火祭りの踊り」

・・・選曲の色合いの違いからも見て取れるように、早稲田との出会いは、一つにはスペインものとの出会いでありもう一つは編曲者白石顕雄氏との出会いであった。
両者とも我がギター部には大きなショックであったに違いない。スペインものは以後2、3年で影を潜めてしまう事になるが、白石編曲は今日のギター部の大前提となるに至っている。
こういう意味からもこの演奏会はギター部のいわゆる黎明であったといえる。


第6回定期演奏会
芦屋ルナホール 1972年11月29日

ファリア:スペイン舞曲第1番「火祭りの踊り」
アルベニス:「スペイン組曲」より"コルトバ"
モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク
カルリ:第1序曲
バッハ:管弦楽組曲第2番より"ブーレ"・"ポロネーズ”
バッハ:ブランデンブルグ協奏曲 第3番(BWV1048)

・・・驚くべき事に、この第6回から独奏のステージが消えてしまっている。
この合奏中心形態が今なお受け継がれている。神大を合奏一本に塗り替えてしまった早稲田の影響力よりも、当時22回生の先見の明を大英断を評価すべきであろう。
またこの時のブランデンブルグは録音こそ残っていないものの、伝説化された名演奏だそうである。

 

1973年(23回生執行部)

第1回連盟演奏会
芦屋ルナホール 1973年6月8日

ストラヴィンスキー:5つのやさしい小品
プレトリウス:5つの舞曲
ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
ドリーブ:マズルカ
グラナドス:ゴエスカスの間奏曲
ファリア:火祭りの踊り

・・・神戸・神戸市外国語・甲南女子・神戸女子薬科の4大学による合同演奏会。大学別ではなく、全大学合同で3つのグループが作られた。この年から甲南女子・神戸女子薬科が定演を始めるきっかけとなった演奏会である。


第7回定期演奏会
芦屋ルナホール 1973年12月2日

ファリア:スペイン舞曲第1番
グラナドス:間奏曲
フランク:3つの舞曲
デュアルケ:オランダ風景
L.モーツァルト:おもちゃの交響曲
ロドリーゴ:トナディーリャ
ヒンデミット:3つのギターのためのロンド
バルトーク:アレグロ・バルトロ
バッハ:イギリス組曲第3番 ト短調(BWV808)

・・・白石編曲のイギリス組曲や現代曲の導入などは、選曲の新局面を迎えているように思われる。とはいってもやはり中心はスペインものである。

 

1974年(24回生執行部)

第2回早稲田大学・神戸大学ジョイント・コンサート
芦屋ルナホール1974年3月18日

(神戸)
スザート: 舞曲集
バルトーク: アレグロ・バルバロ

(早稲田)
ドビュッシー: 小組曲
ラヴェル: マ・メール・ロワより

(合同)
バッハ: シンフォニア(パルティータ第2番)
バルトーク: ミクロコスモスより
ファリア: スペイン舞曲第1番「火祭りの踊り」

・・・第1回の時に比べて選曲から見る限りは、両大学の差は小さくなったように思われる。だが枕元に洗面器が必要だったほど過激な練習であった事を聞くにつけ、その差を縮めるのには想像を絶する努力が払われた事がうかがわれる。なお第3回のジョイントは3年後。


第2回連盟演奏会
神戸文化中ホール 1974年6月7日

アルベニス:「スペイン舞曲」より”コルトバ”・”タンゴ”
グラナドス:スペイン舞曲第5番「アンダルーサ」
グラナドス:「トナディーリアス」より”ゴヤの美女”
デュアルテ:オランダ風景
ワーグナー:双頭の鷲の旗の下にて
ケテルビー:ペルシャの市場にて
リャードフ:8つのロシア民謡
ヴィヴァルディ:調和の創意の試み第4番「冬」より”ラルゴ”
バッハ:ヴァイオリン協奏曲第1番(BWV1041)
バッハ:イギリス組曲第5番(BWV810)より”プレリュード”

・・・スペイン、バッハ、セミ・クラシック、近代の4グループによるジャンル別ステージ構成。この時からすでにスペインものが最終ステージを譲ってしまっている事がわかる。


第8回定期演奏会
芦屋ルナホール 1974年12月5日

ジュリアーニ:アレグロスピソート
フォーレ:組曲「ドリー」
ドビュッシー:小組曲
バッハ:カンタータ第140番(BWV140)より”コラール”
バッハ:イタリア協奏曲 ヘ長調 (BWV971)
バッハ:ブランデンブルグ協奏曲第6番(BWV1051)
バッハ:平均率クラーヴィーア曲集第1巻より 第1番、第17番
リスト:ハンガリー狂詩曲第12番

・・・スペインものが一斉に姿を消してしまい、ピックアップによるバッハと大合奏による近代曲を白石氏の編曲によって飾る、という形態を試金石とした演奏会。

 

1975年(25回生執行部)

第3回連盟演奏会
神戸文化中ホール 1975年6月14日

アルベニス:「スペイン舞曲」より”マラゲーニャ”・”マジョルカ”
グラナドス:スペイン舞曲第10番「ダンサ・トリステ」
オッフェンバック:天国と地獄
ビゼー:「カルメン」より”フィナーレ”
ラヴェル:マ・メール・ロワ バルトーク:ミクロコスモスより 日本の歌メドレー
バッハ:フルートとチェンバロのためのソナタ第2番(BWV1031)より”シチリアーノ”
バッハ:ブランデンブルグ協奏曲第3番(BWV1048)

・・・第2回と同じく4グループによる演奏会


第9回定期演奏会
芦屋ルナホール 1975年12月4日

(小)
シャイトラー: ギターとヴァイオリンのためのソナタ

(B)
ヴィヴァルディ=バッハ: チェンバロ協奏曲 ハ長調(BWV976)
バッハ: フーガの技法(BWV1080)より 第1番、第8番
バッハ: パルティータ第2番

(大)
ムソルグスキー: 展覧会の絵
プロコフィエフ: ピアノソナタ第3番「アレグロ・テンペストーゾ」

・・・第8回と同形態を受け継いだ演奏会だが、プロコフィエフのピアノソナタといった大胆な現代曲が選ばれている事が注目に値する。
このいわゆる第8回型を今日でも受け継いでいるわけであるが、プログラムを見ただけではギターの演奏会という事は全くわからなくなってしまっており、それが神大ギター部の特徴となってしまっている。

 

1976年(26回生執行部)

第4回連盟演奏会
神戸文化中ホール 1976年5月31日

1
ブラームス: ハンガリー舞曲第6番
アルベニス: タンゴ ニ短調
ラヴェル: 亡き王女のためのパヴァーヌ

2
バッハ: イタリア協奏曲 へ長調(BWV971)

3
フォーレ: 組曲「ドリー」より”ドリーの庭”、”ミ・ア・ウ”、”やさしさ”、”スペイン舞曲”
ラヴェル: 古風なメヌエット

4
バルトーク: ルーマニア民謡舞曲
ドビュッシー: 小組曲

・・・ジャンル別という枠が取り払われ、各4グループが自由に選曲を行った。そのためフランス近代(ドビュッシー、ラヴェル)へと片寄った演奏会となってしまったが、枠にとらわれないいい選曲こそ評価すべきであろう。


神戸大学音楽祭
神戸文化ホール 1976年6月13日

バッハ:フランス組曲第6番ト短調(BWV816)より”アルマンデ”、”ルール”、”ジーグ”

・・・文化総部からの依頼により、クラブ配当金目当てに出演したもの。


第1回全関西合奏コンクール
大阪厚生年金中ホール 1976年12月8日

バッハ:フランス風序曲(パルティータ第7番ロ短調 BWV831)より”序曲”、”エコー”
リスト:ハンガリア狂詩曲第12番

・・・バッハは銀、リストは金を受賞。他には神戸市外大も金。甲南女子は銅を獲得。全18大学が出場。


第10回定期演奏会
西宮市民会館ホール 1976年12月13日

1
ラヴェル: マ・メール・ロワ
バッハ: 平均率クラヴィーア曲集第1巻 第8番より”フーガ”
カルリ: 対話風二重奏曲

2
バッハ: フランス風序曲(BWV831)("ガボット"、"バスピエ"を除く)

3
アルベニス: 組曲「スペインの歌」(op.232)より”コルドバ”
グラナドス: スペイン舞曲第2番「オリエンタル」
ファリア: スペイン舞曲第1番 4 リスト: ハンガリー狂詩曲 第12番

・・・リストは第8回のリバイバル、スペインものは第10回にちなんだOBによるステージである。ちなみに指揮者は23回生の平林氏。

 

1977年(27回生執行部)

第1回サマーコンサート ~バッハの夕べ~
神戸文化中ホール1977年6月4日

1
バッハ: 小フーガ ト短調(BWV578)
バッハ: チェンバロ協奏曲第5番 へ短調(BWV1056)

2
バッハ: イギリス組曲第3番 ト短調(BWV808)より”プレリュード”
バッハ: ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲(BWV1060a)

3
バッハ: パルティータ第2番 ロ短調(BWV826)

・・・連盟演奏会が中断され、初めての試みとしてサマー・コンサートがオール・バッハプログラムで行われた。形としては連盟と同じく3つのグループによるもの。


第3回早稲田大学・神戸大学ジョイント・コンサート
芦屋ルナホール 1977年9月5日

(神戸)
ブリテン: シンプル・シンフォニーより

(早稲田)
バルトーク: ミクロコスモスより8曲
ムソルグスキー: 「展覧会の絵」より

(合同)
バッハ: ブランデンブルグ協奏曲第3番 ト長調(BWV1048)

他に
ドビュッシー: 「子どもの領分」より”人形のセレナーデ”、”小さな羊飼い”、 ゴリヴォーグのケークウォーク”
ドビュッシー: 小組曲

・・・第2回と比べ、早稲田との差は全く無くなったわけではなく、凌駕さえしてしまった感があった演奏会であった。


第11回定期演奏会
神戸文化中ホール 1977年11月28日

(Jr)
バッハ: 平均率クラヴィーア曲集第1巻第8番より”フーガ”
バッハ: 「最愛の兄にささげるカプリッチョ」より”フーガ”
カルリ: 3つのセレナーデ(op.96)より第1番

(小)
ドビュッシー: 小組曲 (P)
バッハ: パルティータ第2番 ロ短調(BWV826)より”シンフォニア”、”カプリッチョ”
バッハ: ブランデンブルグ協奏曲第3番 ト短調(BWV1048)

(大)
ブリテン: シンプル・シンフォニー

・・・パルティータ第2番は、第10回に続き23回生の平林氏が客演。会場が芦屋ルナホールから文化ホールへと今回より移される。


第2回全関西合奏ギターコンクール
森の宮青少年会館ホール 1977年12月18日

ブリテン:シンプル・シンフォニー

・・・前年に続き金賞受賞。全15大学出場。

 

1978年(28回生執行部)

第5回連盟演奏会
神戸文化中ホール 1978年6月10日

1
ファルア: スペイン舞曲第1番、4つのスペイン小組曲集より「アラゴネーザ」
グラナドス: ゴヤの美女

2
バッハ: 平均率クラヴィーア曲集第1巻第24番 ロ短調(BWV869)より”プレリュード”

3
バッハ: イギリス組曲第4番 へ短調(BWV809)(”クーラント”を除く)

4
ドヴォルザーク: 弦楽セレナーデ、ホ短調(op.22)

・・・スペイン、バッハ、ロマンのジャンル別による3グループ分けが再び行われる。第3回と比べ、セミ・クラのグループがなくなった形になっている。


第3回全日本合奏コンクール
よみうり文化ホール 1978年12月17日

ムソルグスキー:「展覧会の絵」より

・・・第3回から規模が大きくなり、「全関西」から「全日本」に改称された。この時残念ながら制限時間をオーバーしたため審査対象外となり、惜しくも入賞を逸してしまう。ちなみに甲南女子大は金賞を受賞した。


第12回定期演奏会
神戸文化中ホール 1978年12月20日

(Jr)
バッハ: 平均率クラヴィーア曲集第1巻第13番より "フーガ"

(小I)
ラヴェル: 古風なメヌエット
バルトーク: ミクロコスモスより"マーチ"、"ブルガリアリズムによる舞曲第6番"

(小II)
サティ: 梨の形をした3つの小品

(P)
バッハ: パルティータ第4番 ニ短調(BWV828)

(大) ムソルグスキー: 「展覧会の絵」

・・・大合奏は、第8回以来ピックアップとそれ以外の2つに分けられていたが、この時は、ピックアップ以外が2つに分けられ、大合奏が計3グループにに分割された。また「展覧会の絵」は第9回のリバイバル。

 

1979年(29回生執行部)

第2回サマーコンサート
神戸文化中ホール 1979年9月23日

(小)
バルトーク: ルーマニア民族舞曲
ドヴォルザーク: スラブ舞曲第7、13番(ハ短調 op.46-7、変ホ短調op.72-5)

(P)
バッハ: 平均率クラヴィーヤ曲集第2巻第5番 ニ短調(BWV874)
バッハ: 「音楽の捧げ物」より”3声のリチェルカーレ”

(大)
ホルスト: セント・ポール組曲

・・・連盟が再び中断され、サマーコンサートが第2回を迎えた。連盟型のグループ別ではなく、定演の形に近い形で行われた。


音楽集団「なんとなく」演奏会
ピッコロ・シアター 1979年9月23日

デュアルテ:オランダ風景
ファリア:粉屋の踊り、スペイン舞曲第1番
バッハ:ブランデンブルグ協奏曲第3番ト短調(BWV1048)

・・・OBによる初めての演奏会。「アンサンブル・ベヒライン」の先駆。


第13回定期演奏会
神戸文化中ホール 1979年11月22日

(Jr)
バッハ: 平均率クラヴィーヤ曲集第1巻第2番より "フーガ"
モーツァルト: 四手のためのピアノソナタ ニ短調

(小)
レスピーギ: リュートのための古代舞曲とアリア第3組曲

(P)
バッハ: トッカータとフーガ ニ短調(BWV565)
バッハ: プレリュードとフーガ ロ短調(BWV544)

(大)
芥川也寸志: 弦楽のための三楽章「トリプティーク」

・・・ピックアップでのバッハのオルガン曲が挑戦されるのは初めて。日本人作品が取り組まれるのも初めて。


第4回全日本合奏コンクール
よみうり文化ホール 1979年12月15、16日

芥川也寸志:弦楽のための三楽章「トリプティーク」

・・・この4回だけ、金賞よりもさらに上の最優秀賞がもうけられたが、神戸大学は金賞にとどまった。他に甲南女子大も受賞。ちなみに最優秀賞を受賞したのは神戸女学院。

 


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